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増え続けるがんでの死亡者数と死亡率

7月14日、国立がん研究センターは、2016年に新たに「がん」と診断される人の数が、初めて100万人を超えるという衝撃的な数字を発表しました。

100万人というと、秋田県の全人口(102.3万人/2016年4月1日現在)とほぼ同じ数になります。いかに多くの方々が「がん」に罹患しているのかを実感いただけるのではないでしょうか。

日本人の死亡原因の第一位は、「がん」です。「がん」が日本人の死亡原因の第一位になったのは、1981年(昭和56年)です。それ以降日本では、「がんでの死亡者数」も「がんでの死亡率(10万人あたりの死亡者数)」も、ともに上昇し続けています。また国は、今後もこの傾向は変わらないと予想をしています。

ではなぜ、日本では「がんでの死亡者数」・「がんでの死亡率」が減らないのでしょうか?
よく先進国の中で、この2つの値が上昇し続けている国は日本だけだといわれます。
上昇し続けることには様々な要因があるとは思いますが、その中の大きな要因の1つが「がん検診」の受診率の低さであるといわれています。

皆さんは「がん検診」をお受けになっていらっしゃいますか?国が検診を奨励している「がん」は、以下の5つの「がん」です。
① 胃がん、②肺がん、③大腸がん、④子宮頸がん、⑤乳がん
さて、それぞれの検診受診率は、どのくらいだと思われますか?平成25年に実施された「国民生活基礎調査(厚生労働省)」によると、受診率は以下の通りです。

胃がん検診:男性45.8%、女性33.8%
肺がん検診:男性47.5%、女性37.4%
大腸がん検診:男性41.4%、女性34.5%
子宮頸がん検診:女性42.1%
乳がん検診:女性43.4%
*なお子宮頸がん検診と乳がん検診については、「2年に1度」の受診が奨励されているため、平成24年と平成25年の受診者数の合計に基づく検診受診率です。

特に大腸がん検診(検便)は、急増する大腸がんの早期発見に有効だといわれているのですが、低い水準が続いています。また子宮頸がんと乳がんも日本では急増していますが、日本の検診受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟30か国の中でも最低レベルに位置しています。

「がん検診を受診さえすれば必ず『がん』が見つかる!」ということではありませんが、日本では年間100万人以上の方々が「がん」に罹患し、37万人以上の方々が「がん」によりお亡くなりになっているといわれています。

乳がんの場合、5年生存率はステージⅠ期(早期)で95.7%、ステージⅣ期(末期)では32.2%となっています。(公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2011」より)この数字からも、「がん検診」の重要性をお感じになっていただけるのではないでしょうか?
「がんは他人事ではない!」ことを認識し、ご自身のため、また大切なご家族のためにも面倒くさがらず、まず検診を受診してみていただきたいと思います。

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